柳ヶ瀬線の廃線跡を辿り、北陸旧線を偲ぶ旅

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関西と日本海を結ぶ大動脈

日本にはじめて鉄道が開通してからわずか12年で敷設された「長浜駅」-「敦賀港駅」間を結ぶ路線。

なぜ、敦賀港への鉄道敷設がこんなにも早かったのでしょう。当時、北海道のニシンや昆布等などの物産がこの敦賀港を経由して関西地方などに流通されていました。鉄道の開通によって早く各地へ届けることが可能となったのです。

北陸旧線の難所

しかし、この区間は、古代から交通の難所であったため、鉄道を通すのも一苦労でした。

その苦労の跡が旧線の隧道やスイッチバックに見られます。

開通されてもなお、 トンネルでの窒息や、急な坂で汽車が逆走する事故などが頻繁に起こりました。
そして、1957年、近江塩津駅を経由する新線が開業されました。

旧線は柳ヶ瀬線に


旧線は地元の足のため、柳ヶ瀬線として分離されますが、その7年後には廃線となってしまいました。

国土地理院地図より編集

かつての大動脈だった柳ヶ瀬線には、半世紀たった今でも当時を残す面影が残っています。その足跡をたどってみました。

まずは北陸本線「木ノ本駅」から出発 します。

中ノ郷駅

柳ヶ瀬線は「木ノ本駅」から、北陸本線を離れ右に逸れていきます。
最初の駅は「中ノ郷駅」。北陸線全盛時は、ここで補機を付け替えて、柳ヶ瀬越えへと挑んでいたそうです。駅標のレプリカが設置されています。

中ノ郷駅跡

柳ヶ瀬駅

次の駅は「柳ヶ瀬駅 」

バス停があるのみです。

柳ヶ瀬駅跡

柳ヶ瀬隧道

難所、柳ヶ瀬峠。柳ヶ瀬隧道の木之本側の入り口手前に「雁ヶ谷駅 」が設置されていました。

雁ヶ谷駅跡

「雁ヶ谷駅 」を過ぎると「柳ヶ瀬隧道」です。

廃線跡は福井県道・滋賀県道140号線に転用されていますので、この柳ヶ瀬隧道も鉄道路線時代のトンネルをそのまま使用されています。単線用のトンネルでしたので車1台分の幅しかありません。両入口に信号機が設置してありますので、交互に通行できるようになっています。危険ですので歩行者や自転車での通行は禁止されています。

柳ヶ瀬隧道を過ぎると刀根駅です。刀根駅は北陸自動車道下り線の刀根パーキングエリアに転用され、痕跡は残っていません。

小刀根トンネル

さらに進むと、小刀根トンネルが道路から外れた脇道にあります。当時の姿を留める鉄道トンネルとしては日本最古だそうです。
廃線跡は、現在の国道8号線に沿うように続き、疋田駅へと向かいます。

小刀根トンネル

疋田駅

現在は公民館となっている「疋田駅」跡です。

そして、終着駅は「敦賀駅」です。

旧線の面影がたっぷり残された柳ヶ瀬線でした。

「敦賀駅」から北にも魅力的な北陸本線の旧線廃線跡が続きます。

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