川の下を列車が走っていた!?琵琶湖線・草津川と狼川の廃トンネル

天井川と草津川トンネル

川の堤防が作られ、川床に土砂が堆積すると河床が上昇。洪水を防ぐために堤防を高くします。その繰り返しにより周辺の土地より高い所を流れる川を天井川といいます。
東海道本線(琵琶湖線)草津駅のそばを流れていた大きな草津川も天井川でした。
1889年(明治22年)、鉄道の開通と同時に草津駅の南側に、草津川をくぐるためのトンネルが作られます。


東海道本線の電化工事がはじまると、既存のトンネルでは小さいためその横に新しいトンネルが掘られました。
さらに複々線化工事に入るとその横にも新しいトンネルが掘られました。

トンネルがズラリ並ぶ姿は圧巻です!
最初に作られた右側2本のトンネルは、廃トンネルとなり現在は使われておりません。

一番右側のトンネルが新しいのは、一度改修工事され、しばらく車両置き場に使われていたからだそうです。

草津川跡地公園

この上を流れていた草津川は現在、流路が変えられ、水は流れていません。
こちらは廃線ならぬ廃川となりました。
しばらくは放置されていましたが、2017年にきれいに整備され「草津川跡地公園」として生まれ変わりました。


この公園はニューヨークの「ハイライン公園」をモデルに作られたそうです。
「ハイライン公園」はニューヨーク・セントラル鉄道の廃止となった支線の鉄道高架を利用して作られた公園。荒廃していた状態から立派な公園に蘇った有様は、新しい廃線後のカタチを提示しました。
廃線と廃川の違いはありますが「草津川跡地公園」の成功への大きな参考となりました。
四季折々の草花が楽しめ、レストランやカフェも揃っていて、素敵な憩いの場となっています。
遊具やベンチも置かれ、小さなお子様からお年寄りの方まで楽しいひと時を過ごすことができます。

京都の貨物線廃線跡を利用した「梅小路ハイライン」も「ハイライン公園」がモデルとなっています。
そのため、双方の公園が協力しコラボを組んだイベントも開催されているようです。

狼川トンネル

草津駅のさらに京都寄り、南草津駅と瀬田駅の間にも「狼川」という天井川が流れています。
こちらも鉄道開通と同時に、天井川の下にトンネルが掘られました。

ねじりまんぽという煉瓦が斜めに積まれたトンネルです。


そして、こちらも電化・複々線化工事により廃トンネルとなりました。
現在、東海道本線は狼川をくぐるのではなく、鉄橋が架けられ川を越えています。

日本の大動脈は時代とともに大きく変わっていきました。残された明治の遺構が今でもその歴史を語り継いでいます。