熱海土石流災害とリニア中央新幹線の静岡迂回ルート案

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熱海・静岡土石流に被災されたみなさまに心よりお見舞い申し上げます。

今回、熱海市伊豆山地区で発生した土石流災害では盛り土が問題視されています。
静岡県の川勝知事は会見で「盛り土はやり方によっては危険をもたらす。目的や工法を検証する決意だ」と述べられました。

川勝知事はといえば「反リニア中央新幹線」を掲げておられ、2021年6月20日に投票が行われた県知事選挙では4回目の当選を果たしました。

今回の選挙でもやはり争点は「リニア問題」。川勝知事がリニアに反対する理由は「環境問題」です。JR東海が計画している「リニア中央新幹線」が静岡県を通過した場合、南アルプストンネルが大井川水系の源流域に当たり、大井川水系の水量が減少してしまうとのことです。

対立候補に33万票以上の差を付け当選した川勝知事。
選挙は民意の表れといいます。静岡県民の思いもやはり「反リニア」ということでしょう。
そして選挙2週間後に起きた熱海の土石流災害。

「リニア中央新幹線」の工事が始まっている地域では工事による大量の残土処分が問題化しており
この災害で静岡工区での「環境問題」への取り組みが強まり、着工がますます厳しくなるように思えます。

現在JR東海が計画しているのは「リニア中央新幹線」Cルート案です。

〈品川駅-橋本付近-甲府付近-飯田付近-中津川付近-名古屋駅〉

品川-名古屋 所要時間40分


「最低コスト」「最短距離」「最大需要」という経済最優先で決定されました。
もしルート変更ならば、静岡県を迂回する「Aルート案」「Bルート案」が再浮上するかもしれません。

国土地理院地図(一部加筆​修正)

Aルート案の木曽谷ルートは、中央本線に並行したルートです。

〈品川駅-橋本付近-甲府付近-茅野付近-塩尻?木曽福島付近-中津川付近-名古屋駅〉

品川-名古屋 所要時間46分

Bルート案の伊那谷ルートは、長野県の推進しているルートです。

〈品川駅-橋本付近-甲府付近-茅野付近-飯田付近-中津川付近-名古屋駅〉

品川-名古屋 所要時間47分

進行中のCルートでも予定されていた2027年開業は絶望的、ルート変更となれば、さらに開業が10年近く延びると囁かれています。もちろん、地元住民の生活が一番大切です。しかし、その上でリニア中央新幹線の工事中止だけはぜひ避けていただきたいと一鉄道ファンとして願わずにいられません。