廃線跡の旅、鉄路の旅

JR・近鉄「鶴橋駅」はややこしい立体迷路!?幻のホームや謎の階段を大冒険!

焼肉の町「鶴橋」。今や関西の韓流の聖地として多くの観光客が訪れています。「鶴橋」へのアクセスにはJRと近鉄、そして大阪メトロの3社の路線が通っています。その「鶴橋駅」ですが、観光客はもちろん関西人からも「ややこしい」とよく言われています。

近鉄「鶴橋駅」の乗降人員は161,451人!(2018年11月13日調べ)。近鉄の駅の乗降人員数ランキングでは「大阪阿部野橋駅」に次ぐ第2位となっています。JR「鶴橋駅」も67,340人(2020年度調べ)とJR西日本内で第6位となっています。
近鉄奈良線・大阪線・JR大阪環状線という混雑率の高い路線が接続する「鶴橋駅」は乗り継ぎ利用客が大変多い駅となっています。

では、乗り換えがややこしい?と聞かれればそんなことはありません。JRから近鉄、近鉄からJRに乗り換える場合は特に何も考えず人の流れに沿って進めば良いと思います。なぜなら「鶴橋駅」は乗り換え重視で改良に改良を重ねてきたからです。

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近鉄とJR「鶴橋駅」の大改造の歴史

「鶴橋駅」大改造の歴史。まず1914年(大正3年)に近鉄の前身である大阪電気軌道線開通時に近鉄側の「鶴橋駅」が設置されました。

そして1932年(昭和7年)に鉄道省線(現・JR西日本)「鶴橋駅」開業したこと大阪電気軌道線「鶴橋駅」は、鉄道省線「鶴橋駅」駅寄りに移動、乗り換えのための連絡通路も設けられます。

乗降者数の増加とともに年々増える乗り換え客。対応するには、連絡通路はあまりにも狭すぎました。そこで「鶴橋駅」の大改造が行われます。近鉄の大阪線、奈良線各ホームを上本町寄りに延伸、国鉄ホームとの間に6カ所の階段を設置しました。国鉄側も近鉄線路上を越えて天王寺寄りにホームを延伸、コンコースの面積を約5倍に拡大しました。乗り換えの不便さが一気に解消され、スムーズな乗り継ぎが可能となりました。

鶴橋駅の謎

それでは、なぜ「鶴橋駅」がややこしいと言われるのでしょう。JRと近鉄の乗り換えルートを中心に考えられた「鶴橋駅」だからこそ一歩でも逸れるとそこはラビリンス!?おまけに駅周辺は細い路地が入り組んでいるため、初めて訪れた方は、自分のいる場所がわからなくなるくらいの複雑さです。「鶴橋駅」の構造図をご覧ください!適当に作ってみましたがこんな感じです。どうです、謎すぎませんか…?

A.近鉄「鶴橋駅」謎のホーム

近鉄の下りホームの北側に古びたホームがあります。1932年(昭和7年)にこの位置に移設された当時の「鶴橋駅」の下りホームです。現在の下りホームが上りホームとして使用されていました。

この柵の向こうには、JR(当時の省線)「鶴橋駅」につながる幻の通路があると思われます。

JR「鶴橋駅」の2階部分です。おそらく幻の通路はこのあたりにつながっていたと思われます。

近鉄「鶴橋駅」謎のホームは東側にも出口があったようです。

どこに繋がっているのやら…この下はこんな感じ!?

B.JR「鶴橋駅」謎の階段

JR「鶴橋駅」の京橋方面行きのホーム。セブンイレブンの裏側にある階段。柵がしてあり入ることはできません。

覗き込むと階段の下の通路は、反対側のホームに続いているようです。

駅外から見える、これがその通路?

反対側の天王寺行きホームも柵があって立ち入り禁止の場所となっています。

天王寺行きホーム下の地上部分はこのような感じとなっています。JR西日本用地と書いてあり、荷物の搬出を行うため駐車禁止との注意が記されていました。

JR・近鉄のお互いの駅の構内を行き来したり、駅の外に出てみないと位置関係が全くわかりません。普通に乗り換えするだけなら、特に知る必要もないことですが…。

C.近鉄「鶴橋駅」の謎の階段

近鉄「鶴橋駅」1・2番ホームと3・4番ホームの中ほどにある階段。この階段は出口にも乗り換え口にも繋がっていません。1・2番ホームと3・4番ホームを結ぶ通路とトイレだけがあります。かつて「鶴橋駅」は大阪線と奈良線が別ホームだったため、大阪線と奈良線の乗り換え用にこの通路が使用されていました。現在は、改良により、両路線は同方向なら同じホームで乗り換えることができるようになりました。おかげで大変便利になりました。現在、この階段と通路はトイレもしくは乗り過ごした人ぐらいにしか使用されてないのではないでしょうか。

1・2番ホーム
3・4番ホーム

D.JR「鶴橋駅」2階の謎のシャッター

JR「鶴橋駅」の2階にある謎のシャッター。この向こうにはかつて大型古本チェーン店「ブックオフ 」の「ジェイアール鶴橋駅店」がありました。しかも直結の改札口も設けられていて、その名もずばり「BOOK OFF改札口」と呼ばれていました。2019年3月に閉店となったため、今はシャッターが閉められています。「ブックオフ 」が開店する前は「鶴橋駅前デパート」という商店街でした。かなり広いスペースがシャッターの向こうに広がっています。駅ナカなのにもったいないですね。

「鶴橋駅」構外のJR中央口の横側からも「ブックオフ 」に入店することができました。それがその階段です。今は出入り口が塞がれています。

「鶴橋駅」には謎の階段が多すぎです。

E.近鉄「鶴橋駅」に4つのファミリーマートの謎

再び、近鉄「鶴橋駅」に戻り1ホームの東側へ。そこには日本で一番小さなファミリーマートがありました。「近鉄鶴橋駅1番ホーム東店」。もちろん、24時間営業ではなく、6時から22時30分です。(2022年2月現在)。

近鉄「鶴橋駅」には「近鉄鶴橋駅1番ホーム東店」の他に「近鉄鶴橋駅1番ホーム西店」「近鉄鶴橋駅3番ホーム西店」「近鉄鶴橋駅東3階店」の4店舗のファミリーマートがあります。近鉄とファミリーマートは業務提携しており、駅ナカをを充実させています。同じ駅構内ですが、これだけややこしい駅でもいたるところにコンビニがあるのは大変便利ですね。

いかがでしたでしょうか。知れば知るほど謎めく「鶴橋駅」。まさに立体迷路でした!まだまだ秘密が隠されているかも!?

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