廃線跡の旅、鉄路の旅

「万博公園パビリオン跡巡り」と「パビリオンランキング」で振り返る1970年大阪万博

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1970年大阪万博の跡地「万博記念公園」

2025年の開催に向け、大阪市此花区の人口島「夢洲」で着々と建設が進められている「大阪・関西万博」。

楽しみにされている方へ「大阪・関西万博」開幕前にぜひ訪れてほしい場所があります。
それは、大阪府吹田市にある「万博記念公園」です。

1970年(昭和45年)に開催された「大阪万博’70」の跡地を整備した公園には、「大阪万博’70」の面影がたくさん残されています。

「大阪万博’70」には国内外合わせて116ものパビリオンが参加。現在、そのパビリオンの跡地のいくつかにパネルと石板が設置されています。

「大阪万博’70」のパビリオン入場者数ランキングを振り返りながら、「万博記念公園」のパビリオン跡地散策をお楽しみください。

「この場所にあのパビリオンがあったんだね」「この国のパビリオンが人気だったんだ」そんな思いにふけりながら自然豊かな公園を散策すると、まるで1970年にタイムスリップしたような錯覚を覚えます。

まさに「大阪・関西万博」の予習にぴったりの場所と言えましょう。

大阪万博 パビリオン入場者数ランキング

10位 チェコスロバキア館(11,200,000人)

チェコスロバキアの伝統産業といえばガラス産業です。ボヘミア地方で加工されたガラス製品は「ボヘミアガラス」と呼ばれ、世界中で愛されています。チェコスロバキア館の内装や外装にはガラスが使用され、まさに「ガラスの城」と呼ぶにふさわしいパビリオンでした。

チェコスロバキア館跡

チェコスロバキア館には195個のガラス・オブジェクトから構築された「ガラスの川」は、長さ21.5m・高さ3.8m ・総重量6tの世界最大のガラス彫刻が展示されていました。ボヘミアガラス、不朽の名作です。大阪万博閉幕後、その1/3が寄贈され、EXPO’70 パビリオン近くに保存されています。

ガラスの川
9位 オーストラリア館(11,554,420人)

円形の屋根をクレーンでぶら下げているような奇抜な外観が興味を引きます。パビリオンの中にある円筒形のスペース・チューブでは、動く歩道に乗ったまま展示物の観覧ができました。

オーストラリア館跡
オーストラリア館跡

8位 三菱未来館(11,556,268人)

360度全方位に映し出された迫力ある映像が大人気。入場者数8位ですが、民間企業のパビリオンでは最大の入場者数を記録しました。映像作品は、ゴジラシリーズを手掛けた田中友幸や円谷英二率いる東宝の特撮スタッフによって制作されました。

7位 日本館(11,632,627人)

主催国・日本のパビリオンは、万博敷地内で最大級の展示館でした。上空から見たデザインは、5つの円で象られた万博のシンボルマークを表しています。それぞれの建物に5つのテーマが振り分けられ、「あす」をテーマにした4号館では、当時から夢の乗り物であったリニアモーターカーが紹介されていました。万博閉幕後も日本館はしばらく残されおり、そのまま保存利用も計画されていましたが、1976年(昭和51年)に取り壊されてしまいました。広大な日本館跡地は現在「東の広場」となっています。

国土地理院空中写真(1976年)
日本館

6位 スイス館(12,600,000人)

アルプスの樹氷をイメージした「光の木」が印象的なパビリオン。「光の木」の枝からは冷たい空気が送られ、夏でも涼やかな場所でした。「光の木」の下は自由に出入りでき、順路に縛られることなく歩き回れるようになっていました。スイス館のあった場所には、現在、国立民族学博物館が建てられています。

スイス館跡(国立民族学博物館)

5位 アメリカン・パーク(12,810,000人)

アメリカン・パークは、アメリカの自治体や民間企業の共同で出展したパビリオンでした。リンドバーグの水上飛行機「シリウス号」の展示や、コカ・コーラ館のフローズン・コカ・コーラ、ケンタッキーフライドチキンの日本初実験店舗などが人気でした。

アメリカン・パーク跡付近

4位 エルサルバドル館(13,725,000人)
エルサルバドル館跡

4位にランクインしたエルサルバドル館。エルサルバドルは中央アメリカに位置する小さな国ですが、マヤ遺跡が点在し、歴史的価値の高い国です。エルサルバドル館は60㎡というこじんまりした敷地でしたが、館内には、紀元前9世紀から3 世紀のものマヤ文化を代表する貴重な文化財が展示されていました。館内では、火山コーヒーや切手なども販売されていたそうです。

3位 アメリカ館(16,500,000人)

アメリカ館は、白い長円形のエアドームでできたパビリオンです。空気を送りこんだ膜材が屋根の役割を果たしていました。この工法は現在、東京ドームなどに用いられています。宇宙船アポロ12号が持ち帰った「月の石」が大人気のパビリオン。「月の石」をひと目見るために4時間も以上並ぶというエピソードは今でも語り継がれています。しかし、入場者数は意外にも3位でした。

アメリカ館跡

2位 カナダ館(25,035,000人)

大阪万博の前開催地国「カナダ」は大阪万博参加に最初に手を挙げた国でした。パビリオンの着工も早くから始まり、開幕後は外壁を鏡で囲う斬新なデザインが注目されました。中庭の野外ステージではカナダの人たちによるイベントが連日繰り広げられていました。カナダ館跡は現在、水車小屋付近にあります。

カナダ館跡
1位 ソ連館(28,000,000人)

宇宙進出を競っていた当時のアメリカとソ連。アメリカ館の「月の石」に対し、ソ連館ではソユーズやボストークなど宇宙船の実物を展示。1日平均で十数万人が訪れるほどの人気パビリオンでした。入場者数は1位。高くそびえ立つ赤と白の未来的な建物は、会場内でもひときわ目を引く存在でした。

ソ連館跡

パビリオン跡巡りの後はEXPO’70パビリオンへ

1970年の大阪万博を知っている世代はもちろん、知らない世代も楽しめる「EXPO’70 パビリオン」が万博公園内にあります。大阪万博当時の鉄鋼館を活用し、博覧会の記念館として利用されています。貴重な展示物の数々にまるで時代を遡ったよう、大阪万博の熱狂がリアルに蘇ってきます。万博公園に訪れた際は、パビリオン跡巡りとEXPO’70 パビリオン見学をおすすめします。

鉄鋼館

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