北陸新幹線の延伸ルート。「敦賀駅」-「新大阪駅」間の開業予定は2046年です。「敦賀駅」から先は「小浜駅」へと向かい、「小浜駅」からは進路を南へ。京都北部の地下を通って「京都駅」、さらに南下し、学研都市線「松井山手駅」を経て「新大阪駅」へと向かうルートとなっています。
「小浜駅」-「京都駅」間は地下を通るため、各方面から反対の声が聞かれています。なぜでしょう。
京都の名産に“豆腐”“酒”“京菓子”などがあります。これらの基礎となる“水”。京都の良質な地下水は、美味しさ引き出す大きな役割を果たしています。
北陸新幹線の反対理由は、京都の地下を通ることによる地下水への影響です。
三方を山々に囲まれた京都盆地。桂川や鴨川の水の流れと共に、雨水が京都盆地の地下に流れ込みます。京都盆地の下には深い砂れき層と、硬い岩盤があるため、雨水を溜め込む大きな水瓶のようになっています。その大きさはびわ湖にも匹敵するそうです。
北陸新幹線の予定ルートでは、京都市内では地下トンネルを掘ることが想定されています。その深さは用地買収が不要となる地下40メートル以上。そうなると、地下水にどんな影響を及ぼすのか、今の段階ではまったく予測できません。
現在、京都盆地の地下にはすでに、阪急京都線(西院〜京都河原町)、京都市営地下鉄烏丸線・東西線が通っています。各地下路線の開業後、聊かですが沿線の井戸水が枯れたとの事象があったようです。
北陸新幹線ルートの地質を調べるため、2018年に京都市都市部で、ボーリング調査が行われました。
調査が行われたのは、鹿の下公園(北区)、穂根束公園(北区)、宝が池公園(左京区)、地蔵本公園(左京区)の4箇所です。
宝が池公園の調査中に水道管が損傷し、断水などの被害が起こったことで、北陸新幹線建設に不安の声も上がりました。また、この事故で、自分たちの住む場所の地下が北陸新幹線のルート対象となっていることを認識された方もいらっしゃったとか…
さて、この調査結果から京都市内の北陸新幹線ルートが選定されるのでしょうか。
どのルートを通るにしても、京都市内都市部の中心を貫く予定です。
北陸新幹線延伸ルート「敦賀駅」-「新大阪駅」間の計画は、多少の誤差はあるものの、今後大きな変更はないと思われます。2030年頃には着工される予定ですので、正確なルートは決定次第、発表されることでしょう。
延伸予定の2046年はまだまだ先の話。リニア中央新幹線「名古屋駅」-「新大阪駅」間とどちらが先に開業するでしょうか?