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道頓堀川ほとりの湊町駅
大阪と奈良を結ぶ鉄道として誕生した大阪鉄道。大阪側の起点となったのが「湊町駅」でした。
「湊町駅」は現在「JR難波駅」と改名されていますが、大阪メトロや近鉄、南海などの難波駅とはやや離れた場所にあります。
「湊町駅」の名前は当初の所在地名の道頓堀湊町に由来しています。
道頓堀川に面していたため付近には貯木場があり、
海運による木材の搬入などが栄えたことで対岸の堀江の町は家具問屋が建ち並んでいました。
鉄道が開通し吉野杉で有名な吉野と結ばれると、海運に変わって吉野杉は貨物列車で湊町駅に運ばれることになります。
湊町駅西側には貨車入換線が広がり、また旅客輸送でも名古屋行きの優等列車が走るなど大ターミナル駅として発展していきます。
しかし、東海道新幹線の開通や近鉄電車の新車両投入などにより湊町駅-名古屋駅を結ぶ直通列車の乗客が減少。湊町駅-奈良駅間が電化されたことで湊町駅-名古屋駅を結ぶ直通列車は廃止となりました。
湊町駅の移動、そしてJR難波駅へ
そして、985年(昭和60年)にはモータリゼーションの波の中で貨物の営業も廃止へ。
1989年(平成元年)には駅舎が南西へ約100m移転されたことで千日前通が東西直進となり、元の駅舎跡は湊町リバープレイスとなっています。
1994年(平成6年)9月4日 に湊町駅はJR難波駅に改称。
JR難波駅は地下駅へ
1996年(平成8年)3月22日に今宮駅-JR難波駅間が地下化され、JR難波駅は地下駅となります。
中央広場
JR難波駅付近の地上線跡は中央広場となり、両側にはマンションが建ち並んでいます。
難波塩草敷津公園
さらに南へ進めば地上線の廃線跡は南北に細長い「難波塩草敷津公園」として利用されています。たくさんの線路が敷かれていた当時の面影はまったく残っていません。
なにわ筋線の途中駅へ
「JR難波駅」は難波の中心から離れていることもあり乗車人員は少なく、大阪-奈良を結ぶ大和路快速も日中はほとんどが湊町駅を通らない大阪環状線直通列車となっています。
現在は関西本線の終着駅ですが「JR難波駅」から北側は今後、新大阪駅へと向かう「なにわ筋線」が開通する予定となっています。そうなると人の流れもまた変わっていくことでしょう。