廃線跡の旅、鉄路の旅

伊吹せんろみち(住友大阪セメント廃線跡)で薬草文化センターへ!自然豊かな快適廃線旅!

滋賀県と岐阜県の県境に位置する伊吹山には大自然が広がり、四季を通じて観光客や登山者に親しまれています。
一方、伊吹山には石灰岩が広く分布しており、良質の石灰岩が採掘されることから1951年(昭和26年)より住友大阪セメント伊吹工場によって開発工事が着手されました。

住友大阪セメント伊吹工場と同時期に敷設されたのがセメント工場専用線です。セメント工場専用線はセメント工場が閉鎖される1999年(平成11年)まで営業されました。

現在、セメント工場専用線廃線跡は地域の方によって、歩行者・自転車用の道路「伊吹せんろみち」として生まれ変わっています。

「伊吹せんろみち」の入り口は東海道本線「近江長岡駅」より約1kmの地点。ここから「伊吹せんろみち」の終点までは約2.4kmの道のりとなっています。

レールはありませんが、橋梁は現役当時のものです。橋の向こうには東海道新幹線の高架が見えます。

伊吹せんろみち

緩やかなカーブに鉄道時代の面影が残っています。

伊吹せんろみち

国道365線の下をくぐる「伊吹せんろみち」。国道365線と言えば旧東海道本線の廃線跡です。詳しくは下記のページをご覧ください。

国道365線は天下の東海道線廃線跡!?長浜駅-関ヶ原駅・近江長岡駅…旧線ルートのユニークな歴史

セメント工場専用線の運用開始時には旧東海道本線は新ルートに転用されていましたので、すでに廃線となっていました。そして、セメント工場専用線も廃線となっている今、廃止時期の異なる廃線跡が交差する珍しい場所となっています。

旧東海道本線と伊吹せんろみちの交差

国道365線下のトンネルの向こうは弥高川下のトンネルとなっています。

国土地理院地図より編集

「伊吹せんろみち」はのどかな風景に囲まれ、大変心地よい道路。ウォーキングやサイクリングに最適です。整備が行き届き、景色が良すぎるため廃線であることを忘れてしまいそうです。

伊吹せんろみち

「伊吹せんろみち」は伊吹薬草の里文化センターで一旦終点となっています。しかし、現役当時のセメント工場専用線はこの先の住友大阪セメント伊吹工場までずっと続いていました。

伊吹薬草の里文化センター付近の伊吹せんろみち
伊吹薬草の里文化センター

伊吹山は古来より薬草の産地としても知られており、戦国時代には、織田信長も伊吹山に薬草園を開いたとされています。伊吹薬草の里文化センターは「薬草」をテーマにした複合施設。公民館、保健センター、文化ホール、屋内運動場といった地域の公共施設の他に「薬草風呂」「薬草園」といった薬草に関する施設があります。

「伊吹せんろみち」を楽しんだ後は効能たっぷりの「薬草風呂」で疲れた身体を癒してみてはいかがでしょうか。なんと岩風呂は奥伊吹で採取された一枚岩の花崗岩でつくられているそうです。伊吹の天然パワーでリフレッシュした後は、再び「伊吹せんろみち」で「近江長岡駅」へ戻るもよし、バスでゆったり帰るのもいいでしょう。※バスは本数が少ないので人数が多ければタクシーがオススメです。

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