神戸と播磨を結ぶ山陽電気鉄道
山陽電気鉄道は、神戸市から播磨地方にかけて路線網を展開する私鉄。JR山陽本線と並行して走っていますが、ややローカル色の濃い路線となっています。海の見える区間は、どことなく江ノ電の彷彿させます。(個人の感想)
山陽電気鉄道の歴史は、1910年(明治43年)、兵庫電気軌道(兵電)による兵庫 – 須磨間の開業から始まります。
1917年(大正6年)には、明石まで延伸。さらに西へ、姫路方面を目指すも、兵庫電気軌道(兵電)には、経営に不安がありました。そこで、安全策のため、兵庫電気軌道(兵電)は、別会社の神戸姫路電気鉄道(神姫電鉄)を設立します。
しかし、その後、他社による兵庫電気軌道(兵電)の買収などにより、兵庫電気軌道(兵電)と神戸姫路電気鉄道(神姫電鉄)の関係は悪化します。
明石で分断されていた山陽電気鉄道の前身
兵庫電気軌道(兵電)は、国道2号沿いに線路を敷設し、明石駅前交差点付近に「明石駅前駅」を設置。大明石町1丁目交差点の手前から南へ向かい、明石港近くに「明石駅」を設置しました。
一方、神戸姫路電気鉄道(神姫電鉄)は、現在の山陽電鉄のルートに沿って西から線路を延ばし、国鉄(現・JR)明石駅南口の広場の南側、兵庫電気軌道(兵電)の北側に「明石駅前駅」を設置しました。
明石付近で目と鼻の先にありながら、繋がることのなかった両鉄道でしたが、紆余曲折を経て1928年(昭和3年)、宇治川電気により併合。念願の兵庫 – 姫路間に直通運転が開始されます。
兵庫 – 姫路間がつながったことで、兵庫電気軌道(兵電)の「明石駅」は廃止となってしまいました。
兵電「明石駅」に残る謎のレール
2023年1月30日、歴史的ニュースが飛び込んできました。兵庫電気軌道「明石駅」の痕跡が発見されたとのこと。
2023年1月30日のYAHOOニュースより↓
フェリーに乗れずぶらぶらしていたら…世紀の大発見!? 更地に古いレールが→戦前に栄えた駅の痕跡か
早速出かけてまいりました。
山陽電鉄「明石駅」。現在は高架化されています。
「明石駅」バスターミナル付近に神戸姫路電気鉄道(神姫電鉄)の「明石駅前駅」がありました。今は、見る影もありません。
国道2号沿いに線路を敷設していた兵庫電気軌道(兵電)は、明石駅前交差点付近に「明石駅前駅」を設置していました。
兵庫電気軌道(兵電)は、大明石町1丁目交差点の手前からほぼ直角に曲がり、南へ進路変更。
魚の棚付近のカーブが廃線跡の面影を残しています。
兵庫電気軌道「明石駅」跡付近です。
ありました!!兵庫電気軌道「明石駅」が廃止となって約100年が経とうとする、令和の時代に、いまだその原型をとどめているなんて…。
発見していただいた方には、感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました!まさに歴史的大発見です。