廃線跡の旅、鉄路の旅

近鉄生駒線の旧線と複線化…謎めく不思議な路線

1922年(大正11年)、信貴生駒電気鉄道により王寺駅と山下駅(現在の信貴山下駅)間が開通。
その後延伸、1927年(昭和2年)に生駒と王寺間が結ばれました。
生駒駅で近鉄奈良線に乗り換えれば、難波まで約30分。
生駒線沿線は大阪のベッドタウンとして開発されていきます。
そして1964年(昭和39年)、信貴生駒電鉄は近畿日本鉄道に合併され、
「生駒駅」-「王寺駅」間が近鉄生駒線となります。

Contents

近鉄生駒線旧線について

近鉄生駒線は高架や複線工事などにより部分的な改良が進みますが、1993年(平成5年)に大規模な線路の付け替え工事が行われました。
「元山上口駅」 – 「萩の台駅」間です。カーブや勾配が解消され、スピードアップと安全の向上が実現しました。

下記が旧線時代の空中写真と現在の地図の比較です。

1985年(昭和60年)国土地理院地図より編集
❶元山上口駅付近 新線と旧線の分岐点

元山上口駅より生駒方面へ向かうとトンネルがあります。そのトンネルを越えたあたりが新線と旧線の分岐点となります。

❷平群北公園

大規模な地開発が行われたようで痕跡が全くわかりません。おそらく平群北公園のあたり?

❸国道168号線

国道168号線に吸収された区間もあるようですね。

❹旧東山駅

旧「東山駅」は新「東山駅」の60m西側離れたところにあったようです。ブックオフ奈良東山店付近でしょうか?

❺新線と旧線の合流点

「東山駅」の北側で再び新線と旧線跡が合流します。

旧線跡のルートを辿ろうとするもここまでわからないとは思いませんでした。旧線時代の空中写真と現在の地図を比べてご覧いただけるとわかりますが、当時の地形はほとんど原型をとどめていません。人間の力のすごさをまざまざと見せつけられたような気がします。

近鉄生駒線複線化について

近鉄生駒線の大部分は単線ですが、「生駒駅」-「南生駒駅」間、「萩の台駅」-「東山駅」間のみ複線区間となっています。
近鉄生駒線に乗車して見るとわかるのですが、随所に複線用に確保された用地が見られます。

建設当時から複線を見越して作られていたのでしょうか。

王寺駅を出てすぐ、大和川を渡る大和川橋梁の北側に、橋の架けられていない橋脚があります。おそらく複線用のものでしょう。

元山上口駅-東山駅間のトンネルにも複線用の用地が確保されています。


建設当時から複線化が考えられていたようです。さて全線複線化は遂行されるのでしょうか。
現在の近鉄生駒線は部分単線ながら巧みなダイヤ編成により、ラッシュアワーにも十分対応しています。
現在の乗降者数を考えると、今のままで事足りるようですね。

今後もし近鉄生駒線の人口が増えたなら、これらの用地が日の目を見ることがあるかもしれませんね。

モバイルバージョンを終了