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阪堺電車「駅ナンバリング」
駅名に番号を振り分けることで、外国からのお客様などにもわかりやすくする「駅ナンバリング」。2012年(平成24年)より大阪市内と堺市内を結ぶ阪堺電車(阪堺電気軌道株式会社)にも導入されました。
阪堺「HANKAI」から2文字をとって頭に「HN」、番号は「天王寺駅前停留所」-「浜寺駅前停留所」の直通路線を基準に(HN01)から(HN31)がつけられ、阪堺線「恵美須町停留所」から「東粉浜停留所」までは(HN51)-(HN61)の番号が割り当てられています。
欠番「HN11」と「HN30」
阪堺電車の駅ナンバリング(HN01)-(HN31)の間には(HN11)と(HN30)の欠番があります。
(HN11)は「住吉公園停留所」でしたが2016年(平成28年)に廃駅となりました。
では(HN30)は?
(HN30)は駅ナンバリングの導入時より既に欠番となっていました。
「船尾停留場(HN29)」と「浜寺駅前停留所(HN31)」の間に何があるのでしょう。
阪堺電車はこの区間で南海電車をオーバークロス。
海道畑停留場
南海電車と交差する付近に「海道畑(かいどうばた)停留場」がありました。大阪市電阪堺線(三宝線)との乗り換え駅だったようです。
1944年(昭和19年)に廃駅となりました。
「海道畑停留場」が(HN30)?
阪堺電車には他にも廃駅があります。
「天神ノ森停留場(HN58)」-「東玉出停留場(HN59)」間にあった「宮ノ下停留所」。しかしこちらは欠番になっていません。もう復活することはないのでしょう。
では、(HN30)が空いているということは、「海道畑停留場」復活の可能性があるということでしょうか。
南海本線高架化工事
阪堺電車「船尾停留場」と「浜寺駅前停留所」の下をくぐっている南海本線。堺市から大阪府高石市までの約2.7km区間の高架化工事が2028年(令和10年)を目処に進められています。
南海本線高架化工事にあたって、計画当初は、阪堺電車を一時休止し、「船尾停留場」と「浜寺駅前停留所」の間に仮停留所を設置、仮停留所から「浜寺駅前停留場」まで代替バスが運行する案がありました。南海本線高架化工事後は阪堺電車は地上を走ることとなり、現在の上下関係が逆となって立体交差となる計画でした。
その仮停留所に(HN30)の番号が割り当てされるのでは?との噂でした。
しかし、代替バス案は利用者にとって不便で、阪堺電車も一部休止となるため不採用。南海本線の東側に沿って阪堺電車の線路を新設する案が採用となりました。
浜寺駅前停留所の移設
南海電車「浜寺公園駅」東側、駐輪場付近に阪堺電車「浜寺駅前停留所」を移設することによって阪堺電車と南海本線の乗り換えがスムーズとなり、利便性が向上します。
仮停留所設置案が却下に伴い、阪堺電車の駅ナンバリング(HN30)は永久欠番になりそうです。
南海本線高架工事によって阪堺電車と南海本線の立体交差がなくなり、「海道畑停留場」跡も解体されます。貴重な鉄道風景は消えますが、踏切渋滞解消や「浜寺駅前停留所」の移転により快適な交通網が誕生しそうです。