京都駅の謎歴史…気になる高低差は旧線跡!?御土居跡!?

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日本一長いホームの秘密

投票によって全国の駅をランク付けした番組「鉄道ファンがガチ投票!駅総選挙」。堂々2位を勝ち取ったのが「京都駅」でした。未来的で巨大な駅舎は、鉄道ファンならずとも魅了します。

京都駅

「京都駅」の特徴はその駅舎の美しさの他に「発着する特急の数がトップクラスで多い」「通路から眺める景色が素敵」などが挙げられます。しかし一番の特徴は何と言っても「ホームが日本一長い」ことでしょう。

日本一長いホーム

その長さは、558m。しかし、厳密に言えばこの長さは、東側の「0番ホーム」と西側の「30番ホーム」を合わせた長さです。「0番ホーム」は特急「サンダーバード」などの北陸特急用のホーム。「30番ホーム」は関空特急「はるか」専用ホームです。「30番ホーム」は切り欠きホームといってホームをくり抜いて作られたホームです。よって関空特急「はるか」が停車中でも、大阪方面から到着したサンダーバードは「0番ホーム」に進入することができます。

日本一長いホームは御土居跡の上に!?

日本一長い「0番・30番ホーム」は御土居跡の上に作られています。

御土居とは、豊臣秀吉が京都の町を敵の来襲や川の氾濫から守るために築いた土塁や堀のこと。土塁の高さは約5m、堀の深さは約4mもあったそうです。御土居のライン上に「0番・30番ホーム」があることから、御土居の土塁を利用してホームの盛り土が築かれたとの言い伝えがあるようですが、「0番・30番ホーム」が作られた時はすでにこのあたりの御土居はすでに取り壊されていました。「0番・30番ホーム」は御土居〝跡〟に作られたと言った方が正しいようです。

国土地理院地図より編集

初代「京都駅」と旧線は今とは違う場所に!?

現在の京都駅は4代目。
1877年(明治10年)初代「京都駅」開業。当時の京都の繁華街は東海道の起点である三条付近であったため、開業時の「京都駅」周辺は閑散としていました。やがて山陰本線(京都鉄道)や奈良線(奈良鉄道)が開業されたことで徐々に発展していきます。

初代「京都駅」は現在の場所よりやや北に位置していました。

国土地理院地図より編集

鉄道唱歌で「東寺の塔を左にて とまれば七條ステーシヨン 京都と々々と呼よびたつる 驛えき夫ふのこゑも勇いさましや」と歌われていることから、当時の「京都駅」は七條ステーシヨンと呼ばれていたようです。と言っても、七条通りよりは、現在の「京都駅」に近かったようです。

初代「京都駅」(wikipediaより)
初代「京都駅」(wikipediaより)

1914年(大正3年)初代駅舎の南側に2代目駅舎が木造ルネサンス様式が建設され、初代駅舎の跡地は駅前広場の拡張に使用されました。旧線跡に謎の高低差が見られます。鉄道の盛り土部分でしょうか。

国土地理院地図より編集

❶オムロン本社の南側

❷ホテル ザ・サウザンド キョウトの北側

2代目「京都駅」は1950年(昭和25年)、アイロンの不始末による出火で全焼。1952年(昭和27年)に3代目駅舎、1997年(平成9年)に4代目となる現駅舎が完成しました。

戦国時代、豊臣秀吉が築いた御土居跡がホームや駅舎の下に眠り、明治時代に建てられた初代「京都駅」の痕跡が残る地形。「京都駅」はその巨大な駅舎に注目されがちですが、京都ならではの歴史がいたるところに残っていました。京都観光に遠方から訪れる人が一度は立ち寄る「京都駅」。その魅力は「鉄道ファンがガチ投票!駅総選挙」で2位にランクインするのもうなづけます。