Contents
JR奈良線VS近鉄京都線
観光客が多く訪れる二大古都「京都」と「奈良」。JR奈良線が並行しているにもかかわらず京都-奈良間のライバル対決は近鉄京都線がやや優勢となっています。近鉄京都線は「京都駅」-「奈良駅」間を特急で約35分、急行は約45分で結び、また運転本数も多いため利便性でJRに大きな差をつけています。
また「近鉄奈良駅」は、奈良公園や東大寺など観光地に近いため、「JR奈良駅」に比べ観光に大変便利です。
乗降者数も「近鉄奈良駅」は5万人、JR「奈良駅」は2万人弱と格差があります。
JR奈良線の第1期複線化
開業から近年まで単線だったJR奈良線。第1期複線化事業により一部が複線化され、2001年3月3日のダイヤ改正により大幅な時間短縮を実現しました。
みやこ路快速が誕生したことで「京都駅」-「奈良駅」間が約45分で結ばれ、近鉄京都線の急行と変わらない所要時間を実現しました。
JR奈良線(みやこ路快速) | 近鉄京都線(特急) | 近鉄京都線(急行) | |
所要時間(奈良-京都) | 約44分 | 約35分 | 約45分 |
運賃(奈良-京都) | 720円 | 1,160円(乗車券640円 特別料金520円) | 640円 |
JR奈良線の第2期複線化でダイヤはどうなる?
現在行われている、JR奈良線第2期複線化工事では、残りの単線区間である「JR藤森駅」-「宇治駅」間と「新田駅」 -「木津駅」間が複線化となります。
今回の工事の注目は宇治橋。
観光名所である宇治川の景観を壊さずに、どのように複線化されるか注目されています。現在線は下り線となり、新しい橋が上り線となる予定です。
複線化事業は、2023年春の開業を予定。
この複線化工事で列車ダイヤはどう変わるのでしょう。
2023年春のダイヤ改定時は各駅停車の行き違いによる待ち時間が大きく短縮されます。
京都―新田間の平日朝の所要時間は、普通電車が現在の31~44分から28~35分に、区間快速・快速の23~25分が23分にそれぞれ短縮。
「みやこ路快速」での京都―奈良間の時間は、現在の49分から44分に短縮。
平日朝の通勤・通学時間帯に、京都―宇治間を運行する列車を1往復増発。現在同区間で折り返している列車2往復分の運行区間も京都―城陽間に延ばす。新田駅の午前7時台の京都行き列車は、現在の7本から9本に増発。
ダイヤ改正以降は乗降客数を鑑みながら改善されていくものと思われます。
JR奈良線のメリット
JR奈良線は、人気の伏見稲荷大社や宇治平等院が沿線にあるため観光に非常に便利です。
また外国人観光客に関しては、JR奈良線でジャパンレールパスが利用できる利点があります。
ジャパンレールパスとは、外国から日本を観光目的で訪れる方のみが購入できる特別企画乗車券。JRのほとんどの列車に乗ることができるフリーパスです。
新幹線や特急「はるか」で「京都駅」に到着した外国人観光客は、切符を買い足すことなくJR奈良線に乗り継ぐことができます。
「京都」と「奈良」を結ぶ鉄道として比較されるJR奈良線と近鉄京都線ですが、意外にも目的によって棲み分けができているのかもしれませんね。