関西のローカル、朝日放送テレビ(ABCテレビ)の番組「newsおかえり」。ジャニーズ・A.B.C-Zの塚田僚一さんと古川昌希アナウンサーが関西の謎に挑む「古川×塚田のなんでやねん!?」のコーナーが人気です。
2022年12月の放送「兵庫・西宮 閑静な住宅街にもったいない空き地があるの、なんでやねん!?」の内容が大変興味深い内容でした。
西宮市・夙川は、高級住宅が建ち並ぶ関西屈指のハイソサエティなエリアです。問題の空き地は阪急神戸線・阪急甲陽線「夙川駅」の北。
坂道を登っていくと、この街にそぐわない空き地があるのというのです。
実際にわたしも訪れてみました。
さすがにこれは、もったいない!?
番組内でその真相が明かされました。
なんと、鉄道の未成線跡だったのです。
よく見ると、廃線跡のような盛り土に見えますね。
「それにしても、こんなに高級住宅地がひしめく場所になぜ!?」
その計画は、この場所が住宅地になる以前から策定されていました。
新幹線の原型となった「弾丸列車計画」です。
1939年(昭和14年)に始まったこの計画は「東京-下関間」を9時間で結ぶことを目標としました。さらに計画は広がり、日本海に海底トンネルを掘って、アジア大陸への延伸も視野に入れられました。
当時の「東京-下関間」は最速列車で18時間半を要していましたが、弾丸列車が開通すれば約半分の所要時間となります。
各地で用地買収が始まり、工事も開始されました。
しかし、戦局の悪化で「弾丸列車計画」は中止。
用地の買収は、東海道区間「東京-大阪間」については多くが終了していました。
その後、東海道新幹線計画が決定すると、「東京-新大阪間」は弾丸列車の用地を利用して建設されることになります。
しかし、「新大阪」以西は新幹線計画がまだ具体化されていなかったため、弾丸列車用に買収した用地は、一旦持ち主に返還されました。
1964年(昭和39年)10月1日に東海道新幹線が開業。
そして、山陽新幹線の計画が決定します。
新大阪以西の「弾丸列車計画」用地は返還されていたため、再びルート選定のやり直し。
当初計画された弾丸列車ルートとは異なるルートで山陽新幹線が敷設されることとなりました。
この西宮・夙川の空き地は、弾丸列車ルートが通るはずだった用地だったのです。
山陽新幹線のルート選定は、用地買収を避けたため、新幹線は「弾丸列車計画」ルートのさらに北側の地下をンネルで通り抜けていきます。
兵庫県内の「弾丸列車計画」の用地は、名神高速道路や加古川バイパスなどにも利用されているそうです。
それにしてもこの番組は、毎度、面白いテーマが取り上げられています。
関西の街の謎をジャニーズのタレントが解き明かす…。歌や踊りだけじゃない!?ジャニーズの仕事も幅が広いですね。