廃線跡から誕生した嵯峨野トロッコ列車
京都駅から日本海側を走り、本州の西の端、山口県下関市の幡生駅を結ぶ山陰本線。
そのうち、京都駅〜園部駅間は太秦や嵐山などの観光地を抱える嵯峨野の地を走り抜けるため、「嵯峨野線」という愛称で呼ばれています。
京都から北近畿へと向かう特急をはじめ、快速や各駅停車などの電車が設定され、観光や通勤、通学に利用されています。
嵯峨駅 – 馬堀駅間が複線の新線に切り替わるまで、この区間は桂川に沿って蛇行するように走っていました。景色はいいのですが、線形が悪く単線のためスピードが出せませんでした。
スピードアップのため、改良工事が計画され
嵯峨駅〜亀岡駅間を短縮で結ぶルート上に2本のトンネルと2本の橋梁を建設、
1989年(平成元年)に新線が完成しました。
残された旧線には、新線にはない風光明媚な景色が広がります。
この大自然を生かし、廃線跡の再利用計画が立てられました。
枕木やレールが整備され、廃線跡が「嵯峨野観光鉄道嵯峨野観光線」として生まれ変わります。
JR嵯峨野駅に隣接されたトロッコ嵯峨駅から馬堀駅に隣接されたトロッコ亀岡駅間7.3kmをトロッコ列車が走ります。
嵯峨野トロッコ列車は一躍人気者に!
車窓を眺めながらの25分の旅。
このトロッコ列車は想定外の人気となり、当初の年間予想乗客数の22万人を大きく上回り、今では年間100万人以上の観光客を運んでいます。
途中駅のトロッコ保津峡駅。横を保津川下りの船が嵐山へ向かっていくのが見えます。
嵯峨方面から亀岡方面までトロッコ列車で行き、帰りは保津川下りを楽しむコースも人気だそうです。
お寺や神社をめぐる京都の旅とはひと味違う京都が楽しめます。
また「トロッコ亀岡駅」付近には旧線の廃線跡も見ることができますよ!