箕面温泉ケーブルカー(大阪観光・箕面鋼索鉄道)廃線跡
関西では「みの〜おんせん♩スパ〜ガ〜デン♩」のCMでおなじみの「箕面観光ホテル・箕面温泉スパーガーデン」。オープンは1965年(昭和40年)。当時流行のヘルスセンター形式で開業、歌謡ショーや大衆演劇などが行われる現在の健康ランドのような施設でした。
しかし、近年のスーパー銭湯の乱立などによりライバル店が増えたため一時期閉鎖される事態に…。その後、大江戸温泉物語がスポンサーとなり、「大江戸温泉物語 箕面温泉スパーガーデン」としてリニューアルされました。
「箕面温泉スパーガーデン」への公共交通によるアクセスは阪急「箕面駅」が最寄り駅となります。
(千里中央駅、北千里駅、茨木市駅、茨木駅、梅田より無料送迎バスも運行されています。)
「箕面駅」を出るとお土産物屋さんが並ぶ緩やかな傾斜の「滝道」を約5分ほど歩きます。足湯のある広場に着くとそこにあるのは巨大な展望エレベーター。展望エレベーターを利用すると直通で「箕面観光ホテル・箕面温泉スパーガーデン」へ行くことができます。
展望エレベーターが運転開始されたのは1993年(平成5年)。
それまではケーブルカーが運行されていました。
ケーブルカーの名称は「箕面鋼索鉄道」。開業は箕面温泉スパーガーデンと同じく1965年(昭和40年)、施設利用者のために敷設されました。
「山下駅」 – 「山上駅」間のわずが100mの区間でしたが地方鉄道法(後の鉄道事業法)による正規の鉄道として運行、無料で乗車することができました。
開業より30年弱…老朽化により1993年(平成5年)に廃止。「山下駅」跡には足湯施設が建てられています。その裏には廃線跡やホーム跡が木々に埋もれながらも、存在感を現しています。
ケーブルカー廃止後は展望エレベーターがその役割を受け継いでいます。
展望エレベーターの運賃は上りのみ100円の使用料(小学生以上)が必要ですが、施設利用者はもちろん無料で使用できます。
もう一つの廃墟
ケーブルカー廃線跡近くに、トンネルのようなものを見ることができます。こちらもケーブルカーの廃線跡でしょうか?
実はこの煉瓦アーチ、動物の檻の跡です!
「箕面観光ホテル・箕面温泉スパーガーデン」の開業前、この場所には動物園がありました。約3万坪の広さを誇る国内最大規模の「箕面動物園」です。開業はなんと、箕面有馬電気軌道開通と同じ1910年(明治43年)!当時では珍しい観覧車も作られ、まさに一大テーマパークのようでした。
1916年(大正5年)に動物園は閉鎖され、宝塚に移設。観光地・箕面は栄枯盛衰を繰り返しながら、現在に至ります。
大テーマパークだった明治から大正時代にかけての遺構が今でも残っているなんて不思議なものですね。