「嵐山駅」に謎のホーム!?阪急嵐山線が複線から単線になった理由とは?

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京都屈指の観光地「嵐山」。「嵐山」には3本の鉄道路線が通っています。

一つは、レトロで可愛い路面電車の京福電気鉄道。通称「嵐電(らんでん)」と呼ばれ、親しまれています。嵐電「嵐山駅」の駅前は「嵐山」のメインストリートに位置しているため、観光に大変便利です。

そして二つ目は、JR山陰本線(嵯峨野線)。JR「京都駅」から乗り換えなしで行くことができるため、遠方からの観光客に人気。快速利用で「京都駅」-「嵯峨嵐山駅」間を約12分ほどで結んでいます。

そして、最後は阪急嵐山線。阪急京都線から分岐し、「桂駅」と「嵐山駅」を結んでいます。
「嵐山駅」の一つ手前の「松尾大社駅」にも名所が点在。お酒の神様を祀る松尾大社や、一年中、鈴虫の鳴き声が聞こえる華厳寺(鈴虫寺)、苔庭で有名な西芳寺(苔寺)などが控え、観光に便利な路線となっています。

今回はその阪急嵐山線の謎をクローズアップしてみました。

阪急「嵐山駅」は、嵐山の中心地から少し離れた場所にあります。京都の町家をイメージした駅舎は、2010年(平成22年)にリニューアルされたものです。

阪急「嵐山駅」

立派な駅舎の裏にひっそりと佇む、謎のホーム。一体これは何でしょう?

阪急「嵐山駅」の謎のホーム
阪急「嵐山駅」の謎のホーム

実は、このホーム、現在は使われていない阪急「嵐山駅」の廃ホームです。現在使用されているホームの北東側にあります。

阪急嵐山線は1928年(昭和3年)、京阪電気鉄道の子会社である新京阪鉄道が観光客需要を見込み複線で開業しました。また阪急「嵐山駅」も6面5線という巨大なターミナル駅での開業でした。

しかし、思うように客足は伸びず、開業2年足らずで単線運行に。さらに1944年(昭和19年)には、戦局悪化の物資不足のため、片側のレールが供出され、完全な単線となりました。そして戦後には「嵐山駅」も3面2線へと縮小されました。

廃ホームは、巨大ターミナルとして開業した当時の「嵐山駅」の名残だったのです。

「嵐山駅」の先は、すぐに単線となりますが、路盤や架線柱は複線分の幅が残っています。

阪急「嵐山駅」の南東

橋台や橋桁が残っている箇所も見られます。

「松尾大社駅」-「上桂駅」間
「松尾大社駅」-「上桂駅」間

国道9号線を跨ぐ高架にも複線の跡が見られます。

「上桂駅」-「桂駅」間

こうして見ると、今すぐにでも再び複線化に戻せるような気がしてきます。将来、複線化はあるのでしょうか?

開業時の目論見が大きく外れ、単線運行となった嵐山線。そして「嵐山駅」の巨大なターミナルも幻に。原因は普段の乗客数と行楽シーズンの乗客数との差が大きく乖離していたことでした。

沿線人口が増えれば複線化復活?

残念なことに阪急嵐山線は、西に山が迫り、東には桂川が流れているため沿線開発のスペースはほとんどないと思われます。

観光客頼みの阪急嵐山線。廃線はもちろんないと思いますが、やはり複線化もないでしょう。