線路がない!?西神中央駅の謎の空間と幻の神戸市営地下鉄西神・山手線延伸計画

スポンサーリンク
スポンサーリンク

線路がない!?西神中央駅の謎のスペース

神戸市営地下鉄西神・山手線の終点、神戸市最西端に位置する「西神中央駅」。この駅のプラットホームは一見、2面4線に見えますが、実は2面3線です。3番線の向かい側には線路がありません。なぜでしょう?

西神中央駅の謎の空間

神戸市営地下鉄西神・山手線の歴史

西神・山手線は、山手線、西神線、西神延伸線という3つの路線から構成されています。最初に開業したのは1977年(昭和52年)3月13日に「新長田駅」-「名谷駅」間の西神線です。この路線は、廃止された神戸市電に代わる市民の足として誕生しました。

名谷駅

次に開業したのは1983年(昭和58年)6月17日に「大倉山駅」-「新長田駅」が延伸開業した山手線。この路線は、開発が進んでいた西神地域を結ぶことを目的として建設されました。

そして1985年(昭和60年)6月18日、最後に開業したのが山手線の延長としての「新神戸駅」-「大倉山駅」間と「名谷駅」-「学園都市駅」の西神延伸線です。この区間の開業により、北部新都心である新神戸-西神地域の東西アクセスが向上しました。

「名谷駅」-「学園都市駅」間が西神延伸線と区別されたのは、この区間がニュータウン鉄道等整備事業費補助を受けて建設されたためです。

1987年(昭和62年)3月21日より、これら3つの路線が一体的に運行。以降「西神・山手線」という名称が使われるようになりました。現在では、全22駅で構成されており、全長22.7kmとなっています。

西神再延伸線構想

神戸市営地下鉄西神・山手線は、現在の終点「西神中央駅」からさらに西方に延伸するという西神再延伸線構想があります。

そうです!「西神中央駅」3番線の向かい側は、神戸市営地下鉄西神・山手線延伸のための空間だったのです。いつでも2面4線への拡張が可能となっています!

西神中央駅の謎の空間

西神再延伸線構想は、3つのルートが候補として挙げられています。それぞれのルートは以下の通りです。

西神中央駅 – 玉津地区 – 西明石駅 (西明石・西神線)
西神中央駅 – 神戸市西区神出町 – 神戸市西区岩岡町 – 加古郡稲美町 – 東播磨方面 (加古川線厄神駅方面へ)(西神・東播磨線)
西神中央駅 – 神戸電鉄粟生線方面 (押部谷駅方面へ)

国土地理院地図より編集
西神中央駅より北を臨む

これらのルートは、それぞれ利用者数や建設費用などの評価基準に基づいて比較検討されていますが、具体的な経由地や方式などは未定となっています。

この計画が進まない1番の理由は、神戸市の財政難です。

西神中央駅より北を臨む

この構想は、かなり前から議論されていますが、なかなか進まないため、周辺地域では、もはや諦めムードが漂っています。

一方で、神戸市営地下鉄と阪急神戸線の相互乗り入れ構想というものもありました。阪急と地下鉄を接続させ、梅田~西神中央間で直通運転を行うものです。これによって、神戸市営地下鉄沿線と大阪梅田間のアクセスが大幅に改善されることが期待されていました。

しかし、この構想に対して神戸市と阪急電鉄が協議した結果、「現時点で投資に見合う効果が見込めない」という結論が出されました。その理由は、三宮駅周辺の地下に新駅を設ける必要があり、工事費や土地買収費用が膨大になることや、阪急ダイヤがさらに過密化するリスクなどです 。

もし、これらの計画が実現すれば、西神ニュータウンやその周辺地域はさらに発展し、活性化することと思われましたが、実現はかなり困難のようですね。

  1. 最初に開通した新長田ー名谷が西神線で、次に開通した、新長田ー大倉山が山手線です。
    記事は逆になってます。

    • すみません。ご指摘ありがとうございます!