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富士山登山鉄道構想
富士山登山鉄道は、山梨県富士吉田市の富士吉田インターチェンジ付近に予定されている山麓駅から富士山5合目までの区間に計画されている鉄道路線です。2020年に山梨県が検討会を設置し、2023年には推進グループを新設するなど、実現に向けて動き出しています。
富士山登山鉄道の路線は、全長約27キロメートル。現在の富士スバルラインを廃止し、その敷地を利用し路面電車形式(LRT)を建設する計画です。富士山登山鉄道が実現されれば、排気ガスの減少やピーク時の渋滞緩和が期待されるようです。
山麓駅-五合目駅間の所要時間の目安は、上り52分、下り74分が想定されています。
富士山登山鉄道の往復運賃は約1万円!?
また、富士山登山鉄道の往復運賃は約1万円と見込まれています。この運賃はの建設費用や環境への影響などを考慮して設定されたものです。現在の運行されているバス(富士山駅・河口湖駅~富士スバルライン五合目間)の往復運賃は2,300円なので、およそ4〜5倍の価格設定となります。
富士山は世界的な観光地であり、多くの観光客が訪れることが予想されます。そのため、富士山登山鉄道の開業によって観光客の増加が期待されるため、高額な運賃も受け入れられる可能性があり、往復1万円の価格設定でも年間300万人の利用が想定されているようです。
乗り継ぎ問題…宮脇俊三氏案なら成田空港から直通も!?
バスよりも料金が高くなるのに、不便になる可能性も指摘されています。起点となる山麓駅は鉄道と接続されていないため、鉄道駅と富士山登山鉄道の間はバス利用となり、旅行者には乗り換えの不便さが強いられます。
紀行作家・宮脇俊三氏はかつて「夢の山岳鉄道」(1993年)という著書で、「富士山鉄道・五合目線」という空想列車を提案されています。富士山登山鉄道とルートはほぼ同じですが、起点が「富士急ハイランド駅」とされていることに目が留まります。
「富士急ハイランド駅」に富士山登山鉄道に接続することができれば、乗り換え不要で成田空港→富士急行→富士山登山鉄道→五合目駅直通の特急「成田エクスプレス(N’EX)」が運行可能です。成田空港に到着した外国人観光客が一気に富士山五合目へと行くことができます。
なぜ、起点を「富士急ハイランド駅」をするのか、それは、鉄道用地をスムーズに取得しやすいから。
「富士急ハイランド駅」-山麓駅間、中央自動車道西側には鉄道敷設可能なスペースがあるそうです。
しかし、現在、計画中の富士山登山鉄道は標準軌(1435mm)なので、乗り入れには、JRや富士急行と同じ狭軌(1067mm)にする必要があります…。
富士山登山鉄道の問題は山積み…
富士山登山鉄道の実現にはいくつかの課題が存在します。まず、建設費用は数百億円〜2,000億円ともいわれる多大な費用が課題となっています。さらに、環境への影響も懸念されており、富士山登山鉄道の建設が環境に与える悪影響をどのように解決するかも課題となっています。
また、富士山には、崩落や噴火の危険性もあります。富士山は現在、は休火山とされていますが、活動が再開する可能性もあります。これらの問題をクリアしなければ、富士山登山鉄道の開業は難しいかもしれませんね。