津興橋の架け替え工事、消えゆく近鉄道路の鉄道遺産

伊勢電気鉄道

伊勢電気鉄道は、大正から昭和初期、三重県地方を中心とする路線を保有した鉄道会社です。

1915年(大正4年)9月に一身田町 – 白子間を部分開業して以来、徐々に路線を拡大し最終的には、
本線(桑名駅 – 大神宮前駅) 82.7km
養老線(桑名駅 – 揖斐駅) 57.6km
神戸支線(伊勢若松駅 – 伊勢神戸駅)3.9kmを所有することとなりました。
養老線は現在の養老鉄道養老線に、神戸支線は現在の近鉄鈴鹿線となり、現在も活躍中です。
本線(桑名駅 – 大神宮前駅)の桑名 – 江戸橋間は近鉄名古屋線として残っていますが
江戸橋 – 大神宮前間は近鉄伊勢線となった後、1961年(昭和36年)に廃止となりました。

津興橋

伊勢電気鉄道の廃線跡として有名なものに津興橋があります。
1930年(昭和5年)に建設された三重県津市の岩田川の河口に架かる橋です。
建設されてから90年。老朽化が進み耐震工事が必要になったため、現在、橋の架け替え工事が行われています。


2020年10月下旬津興橋の見納めに訪れましたが、すでに橋脚しか残っていませんでした。
もうすぐこの橋脚もなくなるのでしょうか。

津興橋

近鉄道路

橋を挟んだ津から松阪へと続く廃線跡は市道として使われており、幹線道路として利用されています。
廃線前には伊勢電気鉄道は近鉄に買収されていたため「近鉄道路」と呼ばれています。

鉄道橋から道路に変わり、近年は1日16,000台もの交通量を支えてきた津興橋。建設から約90年も使用されていたことに驚きを隠せません。

橋の架け替えにより、耐震補強され広くなった道路は、自動車の通行がとても安全になります。鉄道ファンにとっては、寂しい気もしますが…