京都の夏を演出した木津川水泳場と幻の木津川駅廃駅跡

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夏の娯楽といえば海!しかし海のない京都市から海水浴に行くにはかなり遠出をしなければなりません。交通機関のそれほど発達していなかったその昔では、京都から海水浴へ行くことは大旅行でした。

そこで1929年(昭和4年)、京都府京田辺市(当時の綴喜郡田辺町)北部の木津川のほとりに木津川水泳場が開設されました。木津川水泳場の場所は奈良電気鉄道(現在の近鉄京都線)「富野荘駅」-「新田辺駅」間。奈良電気鉄道は同時期に木津川水泳場へのアクセスのために夏のみ営業する臨時駅「木津川駅」を開業しました。

国土地理院地図(昭和39年)の航空写真より編集


木津川水泳場の規模は京セラドーム大阪に匹敵するおよそ3.3万㎡の広さ。食堂・脱衣所・遊具などの設備も整えられ瞬く間に大人気となりました。
「木津川駅」の利用者も昭和30年(1955年)度の最盛期には年間約17万人にものぼったそうです。
1963年(昭和38年)に奈良電気鉄道は近畿日本鉄道に吸収合併され、「木津川駅」も近畿日本鉄道の駅となります。
しかしその頃には、京都周辺のあちこちにプールが開設され、木津川水泳場はその役目を終えます。1965年(昭和40年)に閉園、「木津川駅」も廃止となりました。

木津川駅跡
木津川駅跡

近鉄京都線が渡河する木津川橋梁のたもとに木津川水泳場がありました。現在は田辺木津川運動公園となり、市民の憩いの場として利用されています。

木津川橋梁

近鉄電車が颯爽と駆け抜ける木津川橋梁はほぼ奈良電気鉄道開業時のものだそうです。

海のない京都府南部で夏のレジャーを担った木津川水泳場。近鉄京都線に乗ることがあれば、ぜひ木津川橋梁付近で窓の外をのぞいてみてください。

本当にここが水泳場だったの?と信じられないくらいの大河川が緩やかに流れています。