谷汲鉄道の開通
西国三十三所の第33番札所である谷汲山華厳寺への参拝客の足、そして根尾地方の開発を目的に建設された谷汲鉄道。
1926年(大正15年)4月に(黒野駅-谷汲駅)を結ぶ全線が開通いたしました。
黒野駅では、美濃電気軌道と接続するため、岐阜駅から忠節橋駅までは市内線、忠節橋駅から忠節駅は橋を徒歩で渡り、忠節駅からは美濃電気軌道と谷汲鉄道経由で谷汲駅まで1時間半で結ばれることになりました。
しかし、谷汲山華厳寺の御開帳の時期に乗客は増えますが、それ以外の時期は芳しくなかったそうです。
名古屋鉄道谷汲線へ
1944年(昭和19年)に名古屋鉄道が谷汲鉄道を合併し、名古屋鉄道谷汲線となります。
2001年(平成13年)10月1日に全線廃止となりました。
谷汲駅跡
終点の谷汲駅には、昆虫館が併設されていましたが、谷汲駅廃止後も昆虫館とともに駅舎が残されています。また構内には電車が保存されています。


北野畑駅跡
北野畑駅の西側には、セメント工場があり一時期はセメント輸送も行っていました。

黒野駅跡は「黒野駅レールパーク」へ
美濃電気軌道と谷汲鉄道の分岐駅だった黒野駅でしたが、その後両会社が名古屋鉄道に吸収されたことで
名古屋鉄道揖斐線と谷汲線の分岐駅となりました。
2001年(平成13年)に谷汲線と揖斐線の当駅から揖斐方面が廃止。
2005年(平成17年)には、揖斐線の岐阜方面側も廃止となったため
黒野駅は廃駅となります。
跡地には2013年(平成25年)4月12日より「黒野駅レールパーク」が開業しました。
「黒野駅レールパーク」には、レールやホームが現役当時の姿で残されています。


廃線となった時期が比較的新しいため、駅跡や線路跡がわかりやすく残っていました。谷汲駅から黒野駅まで沿線一体がまるで廃線テーマパークのようでした。